Tamrielic Rhapsody - The Elder Scrolls III & IV

 主にThe Elder Scrollsシリーズに関連した事を綴っていくブログでございます。

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2010/05/22
Errands On Behalf 1

Category :  プレイ小話
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     Alchemists Cave 1


「・・・様子を見ておいて欲しい、と?」

穏やかな声でその人物は疑問を投げかける。


「はい。私達がShivering Islesへ行っている間だけで構いません。お願い出来ませんか?」

そう口にした彼女の目に映る人物は冷静な表情を変えず、

「様子を見ておくのは構いませんが、・・・何か引っかかる事でもあるのですか?」

頭を斜めに傾げながら不思議そうに口を開く。

その表情の裏にある、"既に何もかも見通している"という色をあえて包み隠すように。

「はい。前任者のアーチメイジ・トレイヴンに代わって「Mannimarco」
私が討って以来、沈黙を保っていたNecromancerの残党が再び水面下で動きを見せているようです。」


「現在の様子では大々的に動き出す事はまだないと思いますが、
私達がいない間も動かないという保障はないと思いますので、
念には念を入れておくに越した事はないだろう、と・・・」



(・・・やはり気が付いていましたか)


     Alchemists Cave 2


Arch-MageというMages Guild 及び Arcane Universityの元締めの立場にいる以上、

必然的に各地から様々な情報が定期連絡や報告などの形を通して集まってくる為、

別勢力に何らかの動きがあればそれはいずれ自分の耳元にも届く。

しかし、Arch-Mageという立場に立つ者としても、それらの情報に頼るだけでなく、

いち早く彼らの動きを自ら察知出来ているかどうか、

それを確かめるべくその女性はあえて知らない振りを装って彼女に訊いていたのだ。


(流石、表でArch-Mageとして上に立っているだけの事はありますね)


一時の沈黙の中で表情には出さず、感心の色を目の奥にだけ浮かべる。


「成程。その件については分かりました。」

「はい。 ・・・  それと・・・」

同じ言葉で返す代わりに相手は瞬きの後に再び頭を少しだけ斜めに動かす。
冷静な表情は依然としたまま。

BrumaMoccaさんが面倒を見ていた子がいまして・・・
偶然にも彼女も仕事の関係で数日間Brumaを離れなければならないようなので・・・・」


「その間の保護を私に・・・・ という事でしょうか?」

その言葉に続いてサテンブロンドの髪の女性はゆっくりと頷いた。

「Moccaさんはその子に家の鍵も持たせたようで、家でおとなしくしているはずと言っていましたが、
どうも"その子一人では少し心配で"・・・」


彼女の目に映る女性は頷く代わりに目を瞑り、静かに間を置いている。

サテンブロンドの髪の女性も静かに、真剣にその様子を見守っている。


・ ・ ・ ・ ・ 


そしてしばらく経って、相手の女性はゆっくりと目を開き、口を緩めた。

「・・・分かりました。いいでしょう。」


ピリピリした空気が続いていたせいか、

瞬きの後に耳に届いたその言葉はどこか柔らかく感じられた。


「貴方が留守の間、彼らの動きは私が監視しておきます。
表向きに活動してこそいないものの、私もArch-Mageの一人ですのでね。
"ある方"からちょっとした調査の依頼も受けていますし、むしろタイミングとしては丁度良いですよ。
勿論、その子の迎えにもなるべく早く向かうつもりなので、こちらの事は心配せず、
安心して行ってきてください。」



それを聞き届けた彼女の表情も柔らかくなった。

「・・・・ありがとうございます。」


「それに・・・・ "自分自身"を見る良い機会でもあるでしょうしね・・・」


その言葉を彼女は聞き逃さなかった。
しかし言葉の意味が今一つ良く分からなかったようで、再び疑問の色を浮かべている。
また、今しがた緊張が解けた体にも緊張の色が再び見て取れる。

その一方で相手の女性は意味深な表情を浮かべている。
「何でもない」と代弁する為の表情や、普通の笑顔とはまた少し違う、
目を瞑りながら、「既に分かっている」という事を暗示しているような表情だった。


「いえ・・・今は深く考えなくとも良い事です。直に理解出来る時が来るでしょう。」

そこには、その言葉によって明るみに出かけていた近い将来の謎をかき消さんばかりの、
そして先程までの冷静沈着な表情とは正反対とも言える柔らかな笑顔が浮かんでいた。

「昔から過酷な状況を乗り越えてきた貴方なら大丈夫だとは思いますが、
狂気に呑まれないようにね。"楽しんでいらっしゃい"」


狂気とは対をなす表現によって皮肉が籠められた最後の言葉と、

その言葉の印象にはとても似合わない優しい笑顔とのギャップに苦笑いしながらも

安堵と感謝の気持ちを含む笑顔を浮かべると、


「では・・・Idylle先生、私が留守の間の事、お願いします。」

「ええ、道中お気をつけて。皆さんにも宜しくお伝え下さい。」


二人はしばしの別れを告げ、サテンブロンドの髪の女性は準備の為にその場所を後にした。

それを見届けると、Idylleと呼ばれた、薄紫色の整った髪の女性は静かに口を開く。


「・・・・小旅行と言ってはいましたが、最近Cyrodiilに紛れ込んできている
Shivering Islesのモンスターや"あの結晶体"の要因を突き止める、
それが彼の地へ向かう本当の目的のようですね。」


それは今しがた出ていった彼女に向けての賛辞も含んでいるのか、
それともその彼女を見直したという意味で自身に投げかけた言葉なのか。
あるいは両方なのかもしれない。

その裏で、彼女が人を使う立場に立って重い責任を感じている事は理解していたにも関わらず、
彼女を試すような事を言ってしまった事も自身の中で少し反省していた。

それでも今も変わらず先生と呼んで慕ってついて来てくれる事は改めて嬉しく感じた。


・ ・ ・ ・ ・ ・


色々な心境が交錯するしばしの静寂の後、

女性は座っていた椅子から音を立てる事無くゆっくりと立ち上がり、

艶のある髪を揺らしながら外に向かって足を進めていった。


「・・・っ」


     Idylle 1


薄暗い場所から明るい場所に急に移った事で太陽の光の強さを厳しいものに感じたのだろう。

一瞬目を細めたが、目が光に慣れるまでに必要だったのは少し歩く程度の時間だった。



歩きながら目を光に慣らしていくうちに、

数日振りに味わう朝のCyrodiilの空気の心地良さにも意識が向き始める。


体の中に静かに送り込み、細く吐き出す。それを数回繰り返す。

とても気持ちが良い。 頭の中、体の中を涼しく新鮮な空気が瞬く間に駆け巡り、

体が軽くなったような気分にさせてくれる。


しかし、ここでそう長く時間を費やすわけにもいかなかった。


片方の手でもう片方の手首を捻るように袖を軽く直し、

背負っている護身用の杖の位置も撫でるように軽く整える。


     Idylle 2


「さて・・・・では、行きましょうか。」


そう自分に言い聞かせると、彼女は太陽の光を背に受け、髪を風に靡かせながら歩き出した。



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テーマ:Oblivion - ジャンル:ゲーム

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